SCANeRとは

SCANeR™studioの特長

SCANeR™studio(スキャナースタジオ)は国内外の多くの車両メーカー様に評価頂いている、フランスのAVSimulation製のドライビングシミュレーションソフトウェアで、優れたグラフィカル環境が備わっています。SCANeRでは、シミュレーションの環境構築、シナリオ作成、シミュレーションの実行、結果の分析を行うことができます。柔軟で汎用性が高いため、同じプロジェクトでヘッドライトAD/ADAS、HMIなどのさまざまな側面に取り組む各チームがそれぞれSCANeRを使用することができます。


Unrealテクノロジーに基づく3D UXDエンジンは、システムを検証するためのユニークな運転体験と代表的なフォトリアリズムを提供します。(例:インジェクション、オーバー・ジ・エア(OTA)など)

Unreal EngineによるVisualレンダリング

SCANeRは30年以上にわたって250社を超えるユーザーに選ばれてきました。2,000以上のライセンスが利用され、500件以上の科学論文の発表に役立っています。そのような背景から、成功事例とテストシナリオが共有できるSCANeRは、開発コストを削減し設計やテスト・検証などのプロジェクトのスピードを上げられる確実な手段だと言えます。
さらにSCANeRは、要求分析から受け入れテストまで、Vサイクル(下図)の全段階で利用されています。例えば、試作品のフォローアップが必要か決めるためにSCANeRを利用している設計チームにとって、SCANeRが持つ驚異的なリアルさが、試作品や設計コンセプトに対する懸念の払拭、さらに調査をするべきかの決定に役立ちます。
Vサイクルの反対側でも同様に、SCANeRはHILSやVILSベンチに関わる試験にも利用されています。SCANeRにはリアルタイム性があり、車両のストラテジーやセンサーの動作確認に使用されています。

Vサイクル

SCANeRは、さまざまなアプリケーション・ケースのテストと検証を可能にするツールです。
SCANeRをシミュレーションソフトウェアとして標準化することは競争上の利点になります。実際、お客様の周囲でSCANeRの使用が一般化されることで、さまざまなチームによる実験の共有や再利用が促進されます。さらに、SCANeRを使用することで、チーム間でデータやシミュレーション結果を共有・交換するためのツールの開発やメンテナンスが不要になることが、これまでの経験から明らかになっています。SCANeRがお客様の社内で広く使用されることで、ベストプラクティスが共有され、個々のユーザーのスキルが向上し、効率が改善されます。

SCANeRが使用される分野の一例

SCANeRはオープンソフトウェアであり、開発キットは追加費用なしですべての構成で提供されています。このキットによりお客様は、SCANeRをお客様自身のニーズや手元にある既存のツール、サードパーティ製ソフトウェアに適応させることができ、簡単に更新することもできます(SCANeRはWindowsおよびLinuxに互換性があります)。


SCANeRの機能

SCANeRには以下の5つのモードがあり、ユーザーが自由に選択して使用できます。
一部の機能を除き、すべてのモードはFoundation Packで利用できます。

TERRAIN:道路作成

シミュレーションを実行する道路環境を作成することができます。環境の作成には以下のさまざまな方法が利用できます。


  • デフォルトで含まれているデータベースを使用
  • GISインポート:OpenDRIVE、HERE、OSM、CSVなど
  • 一から作成:自由に使える強力なツールを使用できます
  • 信号、標識、道路標示、建物の配置(多くの3Dオブジェクトがデフォルトで含まれていて自由に追加できます)
  • 3Dモデルのインポート/生成
  • 転がり面(rolling surface)のインポート/生成:SOL、RDF、VS-TERRAINなど
  • 経度と緯度に基づいて地理参照された環境

  • <道路の種類>
  • アスファルト / コンクリート / 草原 / 石畳 等

  • <設定できるパラメータ>
  • 道幅 / 長さ / 傾斜 / 進行方向 / 凹凸 / 雨 / 摩擦 等
Terrain
テレイン
Vehicle
ビークル

VEHICLE:車両作成

シミュレーションで使用する車両モデルの作成や編集をすることができます。代表的な車両データはデフォルトで含まれているので、このモードを使わずにシミュレーション実行することもできます。


  • 論理情報、ビジュアルモデル、車両カテゴリを編集してテストできます
  • 車両の動的モデル(トランスミッション、エンジン、タイヤ、シャーシ、サウンドなど)のパラメータと特性を編集してテストできます ※CALLAS車両モデルの編集には追加ライセンス(Vehicle Dynamics Pack)が必要です
  • スタンダードISOビークルダイナミクステスト
  • Foundation Packを使用して外部の車両モデルをSCANeRに接続できます

Foundation Packには、CarRealTime、Carsim、AMEsimなどの車両モデルとSCANeRシミュレーションのインタフェースを可能にするツールが含まれています。

SCENARIO:シナリオ作成

シミュレーションで使用する走行シナリオを作成することができます。


  • シナリオのパラメータを定義します
  • 車両/ドライバーの位置を決めてセットアップします
  • GUI(ユーザーフレンドリーな言語であるMICE)を使用してイベントを構築します
  • より高度なスクリプトには、Pythonプログラミング言語を使用することができます

自車の車速やハンドル操作、ウインカー等の各種入力、規定地点の通過や時間経過など様々なトリガ条件により、歩行者の飛び出し、急な車の割り込み、信号の制御、など自由なシナリオが作成可能です。自動走行を行う車や、規定通りに移動する歩行者等を自由に配置し、交通状況の作成・再現ができます。

自動車歩行者、バイクといったアクティブ車両の配置は、マウス操作で簡単に行うことができます。また、各車両の行動特性についてスクリプトで一つずつ定義することもできますので、非常に複雑な行動特性を設定することも可能です。

Scenario
シナリオ
Simulation
シミュレーション

SIMULATION:シミュレーション実行

シミュレーションを実行、モニタリングすることができます。


  • 運転シナリオを選択
  • シミュレーションセッションの開始とフォローアップ
  • シミュレーションと動的に対話
  • シミュレーションの記録と再生

シミュレーションに使用する道路、車両、シナリオのセットを1つのファイルに保存することができるため、何度も同じ条件でシミュレーションを実行することができます。シミュレーションは記録することができ、記録したシミュレーションをリプレイ再生して確認することもできます。

ANALYSIS:解析

記録されたデータを再生/分析することができます。


  • 記録されたデータを3Dビューやビデオと同期して分析できます
  • データをMicrosoft Excelまたは標準のCSVファイルにエクスポートできます

速度、ハンドル舵角、アクセルの踏み具合のようなあらゆる車両情報と、その際の他車の動き、運転者のカメラ映像、外部取り込み情報等を同期した状態で、様々な角度からデータ解析を行うことが可能です。

Analysis
アナリシス

SCANeRライセンス

ライセンス構成

SCANeRライセンスは、Foundation Packをベースとした各Packの組み合わせで構成されています。各Packについては次のページに記載されています。
※SCANeRソフトウェア操作画面、マニュアルは英語表記となります。


契約プラン

お客様の状況に合わせて、以下からお選びいただけます。

  • 購入
  • サブスクリプション(1年または3年)

ライセンス提供方式

  • USBドングル
  • ファイル形式(オプション)

SCANeRライセンスはUSBドングルにてご提供いたします。ライセンスサーバー機能が含まれているので、USBドングルが挿してあるコンピュータにアクセス可能であれば、別のPCからでもフローティングライセンスとしてSCANeRを使用することができます。
その他オプションとして、ライセンスをファイル形式でご提供することも可能ですが、一台のコンピュータに固定されてしまい、USBドングルのように持ち運ぶことはできないため推奨しておりません。サーバー上で複数のライセンスを一括管理したい場合はこちらの方法をご提案いたします。


トライアルについて

日本のお客様向けに、45日間のSCANeR評価ライセンス(試用版)の貸し出しを行っております。ご希望の方はお問い合わせページよりお申し込みください。
※在庫状況により、ご希望の期間に貸し出しできない可能性もございます。


お問い合わせ

お問い合わせ・ご相談・デモ機の体験申込は随時承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
SCANeRの価格はPackの組み合わせにより大きく変わりますので、まずはお客様の実施したい内容やご予算をヒアリングさせていただき、最適なライセンス構成をご提案いたします。