チップ部品のサイズ早見表(0603・1608)|インチ/ミリ呼称と断面研磨の難しさ
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チップ部品のサイズ早見表(0603・1608)|インチ/ミリ呼称と断面研磨の難しさ

チップ部品の「0603」にはインチ呼称(1.6×0.8mm)とメートル呼称(0.6×0.3mm)の2系統があり、実寸が約7倍違います。サイズ呼称の早見表と、部品が小さくなるほど狙った断面を出せる技術者が限られる理由を解説します。

チップ部品06031608サイズ呼称

最終更新: 2026年7月27日

チップ部品のサイズ呼称とは|インチ系とメートル系の2つがある

チップ部品(コンデンサ・抵抗など)のサイズは、数字4桁(極小サイズでは5〜6桁)の「呼称」で表されます。ところがこの呼称には、長さの単位が違う2系統が混在しています。 ・インチ呼称(EIA系):1/100インチ単位。例「0603」=0.06×0.03インチ。 ・メートル呼称(JIS/IEC系):1/10mm単位。例「0603」=0.6×0.3mm。 やっかいなのは、どちらの系でも「0603」という同じ数字が使われ、しかも指す実寸がまったく違うことです。図面やメールで「0603のコンデンサ」と言われても、それだけではどちらか確定できません。 近年は車載機器の軽量化やスマートフォンの小型化に伴い、チップコンデンサの主流サイズは1005M(1.0×0.5mm)から0603M(0.6×0.3mm)へと小さくなり、0402M・0201Mの採用も進んでいます。サイズが小さくなるほど、断面研磨で中身を確認できる技術者は限られてきます。

チップ部品サイズ早見表(インチ/メートル/実寸)

チップ部品サイズのインチ呼称・メートル呼称・実寸の対応です。実寸は規格上の代表値で、メーカー・品種により多少前後します。 あるサイズのインチ呼称は、1つ小さいサイズのメートル呼称と数字が一致します(例:メートル1608 = インチ0603、メートル0603 = インチ0201)。表を上下にたどると同じ数字が繰り返し現れるのはこのためで、取り違えの多くはこの「ズレた一致」から生まれます。

インチ呼称メートル呼称実寸(mm)
00800402010.25 × 0.125
0100504020.4 × 0.2
020106030.6 × 0.3
040210051.0 × 0.5
060316081.6 × 0.8
080520122.0 × 1.25
120632163.2 × 1.6
121032253.2 × 2.5
181245324.5 × 3.2
201050255.0 × 2.5
222057505.7 × 5.0
251263326.3 × 3.2

早見表の読み方|厚み・チップ抵抗とチップコンデンサの違い

早見表にあるのは長さ×幅で、厚み(高さ)は含みません。厚みは同じ呼称でも品種・容量によって変わるため、呼称からは決まりません。実装スペースや治具の設計で厚みが効く場合は、メーカーのデータシートで個別に確認してください。 チップ抵抗もチップコンデンサも、外形サイズの呼称は同じ体系を使います。1608のチップ抵抗と1608のチップコンデンサは、どちらも外形1.6×0.8mmです。ただし内部構造は別物で、コンデンサは誘電体と内部電極の積層、抵抗は抵抗体と保護膜・電極の複合です。断面で見たときの難しさも、この構造の違いによって変わります。

同じ「0603」でも実寸が約7倍違う|インチ/メートルの取り違え

早見表のとおり、「0603」には2つの意味があります。 ・インチ呼称の0603 = 1.6 × 0.8 mm(メートル呼称では1608) ・メートル呼称の0603 = 0.6 × 0.3 mm(インチ呼称では0201) 面積で比べると約7倍、体積ではさらに差が開きます。1.6×0.8mmと0.6×0.3mmでは、研磨での固定方法・断面出しの難易度・観察倍率まで変わります。 なお、こうした衝突が起きる呼称は限られています。早見表の中で両系に同じ数字が存在するのは 0201・0402・0603 の3つだけです。 ・0201:インチなら0.6×0.3mm、メートルなら0.25×0.125mm ・0402:インチなら1.0×0.5mm、メートルなら0.4×0.2mm ・0603:インチなら1.6×0.8mm、メートルなら0.6×0.3mm 0805以上のインチ呼称(0805・1206・1210など)に対応するメートル呼称は4桁の別の数字になるため、そもそも衝突しません。0603が特にやっかいなのは、インチ0603(1.6×0.8mm)もメートル0603(0.6×0.3mm)も実際に広く使われている現行サイズで、どちらの解釈にも無理がないからです。 どちらの呼称で書かれているかは、その資料がどの工程から来たかである程度読めます。部品の選定・発注ではインチ呼称、基板設計・実装ではメートル呼称が使われることが多く、海外の商社を経由して調達した部品はEIA(インチ)呼称で表記されているのが通例です。同じ部品でも発注書と基板設計データで呼称が入れ替わるため、書類が社内を流れる過程で系が切り替わった箇所が取り違えの発生点になります。 断面研磨を依頼するときは、「0603(メートル呼称・0.6×0.3mm)」のように、呼称系と実寸を併記していただくと取り違えを防げます。弊社でも受付時にどちらの0603かを確認しています。

小さくなるほど断面研磨が難しくなる理由

部品が小さくなって難しくなるのは、「脆くて割れるから」ではありません。壁になるのは、狙った断面を正確な位置で出し、その位置を研磨の終わりまで保ち続けることです。 ・断面位置の精度:観察したい面(部品の中央や特定の電極)を出すには、削る位置を数十μm単位で合わせる必要があります。0603(0.6×0.3mm)クラスでは目標断面の「許容幅」そのものが極端に狭く、少し削りすぎれば通り過ぎてしまいます。 ・固定・ハンドリング:極小部品は樹脂に埋めても保持が効きにくく、研磨中に位置がずれやすくなります。割れやすいというより、小さすぎて扱いが難しいというのが実態です。 ・ダレ・傾き:部品と周囲樹脂の硬さ差で、軟らかい側が先に削れて断面が傾くと、小さい部品ほどわずかな傾きで「狙った層」が断面から外れます。 ・観察:断面が小さいほど高倍率での観察が必要になり、研磨で入ったダレやキズがそのまま評価に効いてきます。下の拡大断面は0603のチップコンデンサ(左)とチップ抵抗(右)で、いずれもスケールバー200µm。この倍率でようやく端子電極・はんだフィレット・内部構造が判別できます。 これらを同時に成立させるには精密研磨の熟練が要り、安定してできる技術者は多くありません。実際、通常サイズの断面ですら「狙った面が綺麗に出ていない」仕上がりは珍しくなく、0603以下になると「研磨先が見つからない」という相談が持ち込まれます。

0603(0.6×0.3mm)チップコンデンサの端子部拡大断面。端子電極・はんだフィレット・内部電極の積層が確認できる。スケールバー200µm。
0603チップコンデンサの端子部拡大断面。端子電極・はんだフィレット・内部電極の積層が現れている(スケールバー200µm)。
0603(0.6×0.3mm)チップ抵抗の端子部拡大断面。抵抗体・端子電極・はんだフィレットの界面が確認できる。スケールバー200µm。
0603チップ抵抗の端子部拡大断面。抵抗体・端子電極・はんだフィレットの界面が現れている(スケールバー200µm)。

極小チップ部品を割らずに断面を出す弊社の進め方

弊社では、極小チップ部品に対して、サイズに応じて固定・樹脂埋め・段階研磨・仕上げの条件を設計し、狙った断面位置を割らずに出します。下は実際に断面出しした0603(0.6×0.3mm)チップコンデンサの全体断面で、積層された内部電極・両端の端子電極・基板ランドへのはんだフィレットまで確認できます。

0603(0.6×0.3mm)チップコンデンサの全体断面。積層された内部電極、両端の端子電極、基板ランドへのはんだフィレットが確認できる。スケールバー200µm。
断面出しした0603(0.6×0.3mm)チップコンデンサの全体断面。微細な内部電極の積層と両端の端子・はんだフィレットが現れている(スケールバー200µm)。

0603など極小チップ部品の断面研磨もご相談ください

0603(0.6×0.3mm)クラスの極小チップ部品でも、固定・断面出し・仕上げの条件を部品ごとに設計し、観察に使える断面をお出しします。「このサイズは研磨できるのか」「どの断面位置を出したいか決まっていない」という段階からでも構いません。 ご依頼の際は、呼称系(インチ/メートル)と実寸、観察したい箇所をお知らせいただけるとスムーズです。 初回は1断面を無料で確認いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

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