
バフ研磨の工程と使い分け|3μm・1μm・コロイダル・アルミナの違いを解説
#2000まで研磨して終わり、ではありません。その後のバフ研磨(仕上げ工程)が観察結果を決めます。3μm・1μm・コロイダル・アルミナ——何をどの順番で使うか、SEM・マイクロスコープ画像と合わせて解説します。
最終更新: 2026年6月9日
バフ研磨とは|断面研磨の最終仕上げ工程
バフ研磨とは、研磨紙による研磨(粗研磨)で出した断面を、より細かい研磨材で仕上げて鏡面に近づける断面研磨の最終工程です。粒径の違う研磨材を順番に使い、段階的に傷と変質層を取り除いていきます。 #2000まで研磨して断面が出ても、その面をSEMで見ると縦横に傷が走っています。クラックを確認しに来たのに、傷とクラックが混ざって区別がつかない——そういう画像を一度は見たことがあると思います。断面出しはゴールではなく、バフ研磨をかけて初めてSEMやマイクロスコープで観察できる面になります。 バフ研磨で使う研磨材は、3μm・1μm・コロイダルシリカ・アルミナの4種類が基本です。ここでひとつ注意点があります。アルミが入っている試料にコロイダルシリカを使うと、仕上げ後に変質が起きます。「どれを使っても同じ」ではないのが、このバフ研磨工程のポイントです。
3μm — 研磨紙による研磨の傷は、ここで取る
研磨紙による研磨を終えた面には、比較的深い傷が残っています。この傷は1μmでは消えません。3μmで取っておかないと、後工程でいくら時間をかけても結果が変わらなくなります。 硬いセラミックスも金属も省くことはありません。ほぼ全ての試料に実施します。
面の状態
高倍率確認
実際の見え方
1μm — マイクロスコープでようやく見せられる面になる
3μmが終わっても、まだ一部傷があります。1μmをかけると、その傷が取れてマイクロスコープで観察できる面になります。多くの案件はここで観察できる、最低限の状態になります。 クラックや界面をもっと細かく明瞭に確認したい場合、SEMで撮影する場合は、続けてコロイダルかアルミナへ進みます。
面の状態
高倍率確認
実際の見え方
コロイダル — アルミ以外の最終仕上げはこれ
1μmの後にかける仕上げです。コロイダルシリカを使います。粒径が非常に細かく、傷がほとんど入りません。SEMで撮る場合はここまで仕上げます。 アルミを含まない試料であれば、半導体・セラミックス・樹脂・金属のほとんどに使えます。最終仕上げの標準です。 ただし、アルミが含まれている試料には使えません。コロイダルシリカはアルミと反応します。そのときはアルミナに切り替えます。
面の状態
高倍率確認
実際の見え方
アルミナ — アルミ製品のときだけ、これに切り替える
コロイダルシリカのSiO₂はアルミと反応します。仕上げた直後は問題なく見えても、時間が経つと表面が変質します。観察前に気づければまだ対処できます。レポートに使った後に気づいたら、そのデータは使えません。 アルミ・アルミ合金が含まれる試料にはアルミナ(Al₂O₃)を使います。コロイダルシリカと同じ使い方ができて、アルミへの反応がありません。
面の状態
高倍率確認
実際の見え方
どれを使うかの判断基準
バフ研磨でどの研磨材を使うかは、素材によって決まります。迷ったら先に素材を教えてください。アルミが含まれているかどうかが最初の分岐点です。
| 工程 | 粒径 | 対象 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 3μm | 3μm | ほぼ全素材 | 粗研磨傷の除去 |
| 1μm | 1μm | ほぼ全素材 | マイクロスコープ観察レベルの平滑化 |
| コロイダル | 0.08μm(SiO₂) | 半導体・セラミックス・樹脂・金属(アルミ系除く) | SEM観察向けの鏡面仕上げ(標準) |
| アルミナ | 0.05μm(Al₂O₃) | アルミ・アルミ合金を含む試料 | コロイダルによる変質を回避した鏡面仕上げ |
まずはご相談ください
弊社では、最終仕上げはコロイダルシリカ(0.08μm)またはアルミナ(0.05μm)を標準としておりますが、はんだの形状や厚みのみの確認を目的とする場合には、3μmで仕上げるなど、時間短縮を考慮した対応も可能です。 「この素材はどのような仕上げになりますか」といったご相談のみでも承っております。素材および観察目的をお知らせいただければ、使用する研磨材を含めた最適な工程をご案内いたします。










