MOSFET内部SiCチップの両面研磨出し|見えない硬脆チップを割らずに両面露出
Solution

MOSFET内部SiCチップの両面研磨出し|見えない硬脆チップを割らずに両面露出

モールド樹脂に封止され、外からは位置も見えないMOSFET内部のSiCチップを、両側から削り込んで露出。硬く脆い約3mmのSiCチップを、割らずに両面とも平行に削り出しました。

SiCMOSFET平面研磨両面出し透過検査

課題

MOSFETなどのパワー半導体では、SiCチップがモールド樹脂に封止され、外からは位置も深さも見えません。この見えないチップの両面を露出させるには、位置を推定しながら樹脂を削り込む必要があります。SiCは硬く脆いため、削りすぎたり無理な力がかかったりすると割れてしまいます。狙いが見えないまま、硬く脆いチップの両面を割らずに平行へ出せるかが、この試料の難しさです。今回のご依頼は、露出させたチップに光を通して内部を透過で確認することが目的でした。

解決策

見えないSiCチップを両側から削り込み、両面を割らずに露出させる

Point 1

見えないチップ位置を割り出して削り込む

パワーMOSFETのSiCチップはモールド樹脂に封止され、外からは位置も見えません。パッケージの外形と端子の並びからチップの位置と深さを推定し、樹脂面から削り込みます。狙いがずれるとチップの片面しか出ないため、削り込みの向きと量を管理しながら、少しずつ樹脂を落として位置を追い込みます。 チップの位置を読み取れる試料では、ヒートシンク(放熱側の金属ベース)を残したまま断面を出します。位置が分からない試料では、ヒートシンク側から削り込み、チップを探し当てて露出させます。チップが傾いて実装されている場合は、削り込む深さが左右で変わり、位置の見極めも難しくなります。 なお、下の図は削り込み方向を示すための例示で、写っているのは市販のSi製MOSFET(別部品)です。実際のご依頼品は、内部にSiCチップを封止したMOSFETでした。

パッケージを削り込んで内部のチップ(ダイ)を露出させた例。中央の灰色の四角がチップ
内部のチップ(ダイ、中央の灰色の四角)を露出させた例。※例示用の別部品で、材質はSi(市販のSi製MOSFET)です。実際のご依頼品は内部がSiCチップのMOSFETでした。
MOSFETパッケージを両サイド・上下から削り込み、内部チップの両面を露出させる削り込み方向のイメージ図
削り込み方向のイメージ図(両サイド・上下から削り込む)。※写真は例示用の別部品で、材質はSi(市販のSi製MOSFET)です。実際のご依頼品は内部がSiCチップのMOSFETでした。
Point 2

約3mmのSiCチップの両面を、割らずに平行に削り出す

SiCは硬く脆いため、削り込みの途中で無理な力がかかると割れます。今回はチップが見えない状態から削り始め、約3mmのSiCチップの両面を、割ることなく平行に露出させました。両面を平らに出すことで、片側からでは分からない内部の状態を、表裏の両方から確認できる状態になります。

Point 3

内部の接合状態まで断面で確認できる仕上がりで納品

削り出した面は、そのまま観察や検査に使える状態まで整えて納めます。今回のご依頼では、両面出しによって露出させたチップに光を通し、内部を透過で確認する用途につなげました。下の断面写真では、削り出したSiCチップ(灰色)が銅(橙色)の上に接合されている様子と、その界面まで確認できます。

削り出したSiCチップの断面。上段は全体像(灰色がSiCチップ、橙色が銅、スケール1,000µm)、下段はSiCチップと銅の接合界面の拡大(200µm)
削り出したSiCチップの断面。上段=全体(灰色:SiCチップ/橙色:銅、1,000µm)、下段=チップと銅の界面拡大(200µm)

技術相談・お問い合わせ

内容が固まっていなくてもOK/見積前の相談だけでも歓迎/無理な営業は行いません

まずは相談してみる